2007年11月27日 (火曜日)

南トスカーナの田舎を巡る-4

南トスカーナの3日目は夜半から冷たい小雨模様。アグリ前の風景も雨で霞み見通しが利かない。

今日は午後から小さな村々を巡る予定だが、雨の中をカメラバックを担いで移動するのは大変になりそうだ。

ルチアさんは今日も大きなケーキを焼いてくれた。美味しいので日本での朝以上に食べてしまう。



丘の上の小さな村

晴れたらアグリの庭先に広がる紅葉の小道を歩いてみたかったが、雨が止まないのでモンテプルチャーノの町に出てみた。バスの発着場脇にある広場で朝市が開かれていた。生ハムやチーズ、肉、野菜、魚から衣料品、家庭用品まで様々な商品が並べられており、沢山の人達が車や徒歩で買い物にやって来ていた。車の屋台で豚の丸焼きを焼きながら切り売りしているものもあった。日本には無い珍しい食材や家庭用品を見て廻るのが楽しい。アグリに備えてあったコーヒー・メーカーに興味を引かれたが、日本でそれ用に豆を挽くのも大変だろうと諦めた。妻は野菜のアーテチョークに見入っていたが、料理する時間が無いだろうとこれも諦めた。帰り道、妻は又もスーパーを覗き見。おみやげにとチョコレートを買い込んだ。他と比べるとかなり安かった。



正午過ぎにマッシモさんが迎えに来た。車に乗り込むと、ご夫妻の家でお昼にしようとのこと。恐縮したがお邪魔させてもらった。旧市街から坂を降りた綺麗な街並みの一角に在るご夫妻の家でお昼をいただく。

食事後、小雨の中を村巡りに出掛けた。

まず世界遺産に指定されているピエンツァの町を訪ねる。丘の上の城壁に囲まれた町。石畳の坂道と軒を並べる古い外壁の家々。窓や玄関脇に置かれた季節の花々。イタリアの小さな町はどこもそうであるが、古い景観がそのまま残りまわりの風景と一体となって美しい街並みを作っている。各家々は古い外壁を大事に保存しながら内部は時代時代の生活に合わせて造り変えることで、街並みの保存と生活の便利さのバランスを取っているようだ。



(雨のピエンツァ)

ピエンツァの街並み



車は美しく紅葉した林のトンネルをくぐって高度を上げていく。雨で濡れた黄葉が美しく、高度がある為か霧が出て良い具合に紅葉した林をボカしている。しばらくすると山の上のちいさな村に着いた。キウスーレ村。モンテプルチャーノからはかなり走った所にある村だ。村の頂上にある公園からは、これから訪ねるモンテ・オリヴェート・マッジョーレ修道院が霧の湧く森の中に見える。崖下の森の紅葉が美しい。反対側(北側)の風景の先にはシエナの町が見え、カンポ広場に立つ塔がちょこんと飛び出して見えた。

バールに立ち寄り暖炉の前の席を陣取ってカプチーノを飲む。冷えた体を暖めて外に出てタバコを吸う。沢山の実をつけた柿木が崖際の庭に植わっていた。携帯に呼び出されて外に出ていたマッシモさんもやって来て一緒に一服。(イタリアでは近年禁煙法が強化され人の集まる場所ではタバコが吸えません。しかし駅構内の混雑するコンコースを歩きタバコしたり、道路で吸ってポイ捨てしたりとイタリアらしい大らかさでした。勿論ホテルでも喫煙できる部屋を予約できます。アグリでは建物の外で蛍でした。13時間も閉じ込められる飛行機の中が一番大変ですが覚悟を決めればそんなに苦痛ではなかったです。尤も機中のトイレで吸った人がいたらしく注意のアナウンスがありました)



(霧の湧く修道院)

モンテ・オリヴェート・マッジョーレ修道院



修道院は駐車場から城門の跳ね橋をくぐって、両側に大木の茂る石畳の道を降りて行く。何となく日本における禅宗の修行寺を思い出した。ぐるっとフレスコ画の描かれた回廊や大きな食堂を見学する。美術に詳しいマッシモさんが絵に潜むエピソードを交えて修道院の説明をしてくれた。

見学を終えて修道院を出るころには空が夕焼けに染まっていた。



(夕闇迫る修道院)

暮れ行く修道院



暗くなり始めた道をモンテプルチャーノに向けてひた走る。丘の上から谷の向こうの丘の木々が夕焼け空に浮かび上がり綺麗な光景を見せていた。途中の町では川霧が夕焼け空の下の林を包み幻想的な光景を見せている。遠くの丘に建つ町のシルエットが晴れ上がった夕焼け空に映えて美しい。ローマ帝国時代に作られたカッシア街道と一部重なっていると言う国道をひたすら急ぐ。真っ暗になった19時頃にアグリに帰着した。



(夕暮れの街)

小さな町の夕暮れ



アグリでの最後の夕食はダニエルさんが外出されていたのでルチアさんとニコル君との4人での食事となった。オリーブオイル、生ハム、チーズ、鳥レバのペースト等で戴くパン。ミートソースで戴く板状のもの、スープで煮込んだご飯粒くらいの小さなもの、トマスソースで戴くきしめん状のもの等いろいろな種類のパスタ料理。豚肉、鶏肉、ソーセージ等を使った料理。ラッキョのような小さな玉ねぎの酢漬けなどの添え物。等など、3回の夕食でいただいた沢山のイタリアの家庭料理はどれも美味しく、旅の良い思い出となった。(聞いても直ぐに忘れるので料理の名前は覚えられません)

早いもので3泊4日のアグリでの夜も今日が最後。明日はアッシジへの移動日だ。星も見えるので天気も良くなりそうです。

pocket このエントリーをはてなブックマークに追加 ブログランキング 花 にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ

関連するブログ記事

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
https://www.mizunara.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/158

コメントする

閲覧ありがとうございました