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2013年6月25日 (火曜日)

内閣府「エネルギー・環境に関する選択肢」パブリックコメント

[要旨]

日本の地理的特性、社会構造の特性を考えたエネルギー政策に早急に転換し、安全で持続可能な電力源と利用技術の開発により原発ゼロの社会を目指す。

[本文]

  1. 日本の地理的特性

    三つのプレートが複雑に絡み合う地盤の上に立つ日本は海溝型地震と活断層による地震に繰り返えし襲われる宿命にある。そして島国である故に自国或いは他国で発生した地震による津波にも繰り返し襲われてきた。 小さな島国である上に、列島を縦横に走る火山帯により山間部そして傾斜地が多く、人の住める平地は限られる。逆に言えば山の稜線や海岸線が長く、河川には傾斜があり、山林、温泉が豊富な風光明媚な国土である。

  2. 日本の社会構造

    勤勉な国民性により、小さな物から大型プラントまで繊細で高品質な製品を生み出す能力を持っている。更に国土の特性から日本人は治水、傾斜地の利用、山林の利用等々自然と共生する術を持っている。 都市部から山間部まで送電網が張り巡らされており、制度の改変と知恵により発電の分散化、地産地消にむけた取り組みがし易い環境にある。 社会の成熟と伴に少子高齢化が進み山間部を中心に非耕作地が増えている。又、将来的には人口減が予測されており電力消費量は抑制されると思われる。 今回の震災では避難した人々の帰郷できない理由として地方産業の弱さが露見している。地方産業の振興と人口の分散化はエネルギー消費の分散化として重要な課題となる。

  3. 原発ゼロの社会への舵きり

    日本の地理的特性、使用済み核燃料の処分技術の現状、福島第一原発の事故でいみじくも露見した人知によるコントロールが不能な原発、放射能汚染による人、食べ物、経済、環境への計り知れないダメージを考えるともはや原発に頼る社会は在り得えません。 既存原発を速やかに停止し、原発ゼロ、原発以外の既存技術の改良と拡大、再生可能エネルギーへの切り替えに向けて舵を切るべきと考える。

  4. 原発ゼロへの取り組み

    地方産業の振興、環境保全と抱き合わせる形で日本の特性に合ったさまざまな形態での発電を行う。それは安全で持続可能な日本社会を構築することにも繋がる。 併せて人口減、節電技術の効果による需要減を見通し、都市と地方の需要の平準化を図る施策により送電の無駄と都市部での需要のピーク緩和対策を図る。

    1. 廃炉への取り組み
      現原子炉の廃炉までの工程は勿論使用済み核燃料や関連施設の処分を含めたその後の安全をも考慮したオープンで長期に亙る取り組みが必要です。 一私企業のレベルを超えて国を挙げての科学者、技術者の育成、投入と、国際的でオープンな研究と技術開発を行う。

    2. 小水力発電
      河川の傾斜を利用した小水力発電は一基当たりの発電量は小さいものの、既に実用化されている技術であり全国的に低コストに多数設置できる可能性を秘めている。

    3. 地熱発電
      縦割り行政の所以により火山国日本でありながら導入が進んでいない。諸外国の例を参考に設置を拡大する。

    4. バイオマス発電
      山間地の振興、環境保全をも睨んだ非耕作地、山間地を利用したバイオマス発電の開発・展開を進める。併せて広葉樹林の再生を行い生物多様性と環境保護を進める。

    5. 風力発電
      低山稜、海岸線を利用した風力発電を進める。

    6. 民間企業による発電の促進
      ソフトバンクによる太陽光発電等の例を検証し地元産業による更なる参入を促進する施策を投じる。

    7. 都市部大企業の自力発電の拡大
      事務所ビルでの太陽光発電、工場でのLNG発電等都市部での大電力消費産業での自力発電の導入を数値目標化して進める。併せて地方での港湾整備と流通網の整備を進め大企業の地方移転を促進する。

    8. 既存発電設備の改良
      既存火力発電等の設備を改良し熱効率の改善と発電量を拡大する。

    9. 今夏の実績より
      原発のほとんどが停止する中で迎えた今年の夏の電力事情を見るに、上記対策を施す過程での電力供給に問題があるとは思えない。原発問題に係わらず電力産業の透明化、発送電分離を進め、発電設備の障害対応として公共交通機関・医療機関・介護施設・中小企業の生産設備等々のライフライン確保、産業活動への対策としてきめ細かな特別供給網の整備を行うことを提案する。併せて過大なピーク時電力需要への緩和対策を提案する。

以上