青田
一面緑の田んぼはなぜか心が落ち着きます。最近では実家の在る田舎でも田が潰され住宅地に変貌してしまい、昔学校に通った道筋で田んぼを見ることはできなくなりました。一面の田んぼの中の砂利道を、トンボやチョウチョ、ドジョウやメダカ、カエルやヘビと遊びながら学校に通う光景は物語の中だけになりました。
川べりや雑木林の縁で桑の実や木イチゴを見つけては頬張っていました。ちょっとした冒険を兼ねて山に入ると野性の桃なんかも在って固くてほんのり甘い実をかじった記憶があります。
いつ頃からでしょう? 放射能だ、農薬だということになり田んぼや小川に入らなくなって自然の中で遊ぶことが少なくなりました。
小学校の頃の思い出といったら、野山や小川、畑や田んぼで遊び、その遊びの道具(ナイフや魚取りのヤスなど)を手造りしたことで、何とも粗野な世界でした。尤も時代が進み人工衛星が飛ぶようになるとセルロイドや火薬を燃やしてペンシルロケットを飛ばしたり、ラジオやアンプを組み立てたりしましたから、時代時代で子供の遊びも変わっていくのでしょう。
だけど、その後の科学の進歩と経済の発展は、子供自身が遊び道具を手造りすることを出来なくしてしまったように思います。お仕着せの学ぶことが多くなり、子供らしい創造力と知恵を発揮する場が少なくなったような。
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